こんにちは!『社会人のための勉強クラブ』部長のしーじーです。
今回は、燃料需要減で原油先物価格がまさかのマイナスへというテーマでお話したいと思います。
原油先物価格がマイナスへ
いやぁ…大変な世の中になってきましたね。
今回、5月の(WTIの)原油先物価格がマイナスをつけてしまいました。
- 先物価格とは…将来のある決められた日に決められた価格で、ある商品を買う約束をする取引を先物取引といいます。その先物取引で決められる価格のことを先物価格と言います。
マイナス価格を付けた原因
では、どうして原油先物価格がマイナスになってしまったかといいますと、基本的に物の値段というのは需要と供給のバランスで決まりますが、今回市場の原油がダブついて売りたいのに売れない状況になっている為です。
そしてその大きな原因となっているのがコロナウィルスなのです。
コロナウィルスの影響で世界的にロックダウンや外出自粛が行われており、人々が移動しない為燃料需要が激減しているのです。
「じゃあ、供給量を減らして調整すればいいじゃん…」と思うかも知れませんが、原油の算出は基本的には止めることが出来ず、貯蔵タンクもほぼいっぱいになってきているのです。
日本なんかでも時々野菜などが豊作になり過ぎた時に、わざと野菜を捨てたりして供給量を減らして値崩れするのを防いだりしますね。
それと同じような手法も原油では使えません。
原油を投棄なんかしたら環境への影響が甚大ですからね。
だから、「お金を払ってでも原油を誰かに引き取って欲しい…」となっていて、マイナス価格がついてしまったようです。
というわけで、簡単にまとめると
- コロナの影響により原油需要激減
- 供給は止められない(算出制限不可、貯蔵タンク満タン、廃棄不可)
となります。
世界的な影響
ロシアやサウジアラビアなどの原油産油国間の争い
原油産出国とアメリカのシェール企業間の争い
などエネルギー分野で国同士の争いが起こってきていたわけですが、全ての国が共倒れというリスクが出てきました。
今後どうなっていくのかは分からないですが、経済危機のようなものに発展していく可能性はあります。
ガソリンは安くなるのか?日本への影響は?
原油価格が実生活のガソリン価格に反映されるまでにはタイムラグがあります。
輸送したり、原油をガソリンに精製したりする時間も必要ですし、そもそも今日本のガソリンスタンドにある備蓄分を使った後、新しいガソリンを追加して初めて価格に反映されるのでしばし時間がかかります。
多少安くなることは予想されますがタダ同然となることはないです(輸送コスト、保管コスト、供給コスト、税金などがかかる為)が、現在よりは安くなると予想されます。
また電気代なども安くなっていくことが予想されます。
日本の庶民の暮らしというレベルで考えれば原油価格が下がるのはいいことですが、世界的な影響がどの程度私たちの暮らしに影響を与えるのか、はたまた与えないのか、今後の展開を注視する必要があると思います。
では、また次回。